職場の雰囲気など、働く上でのリアルな声をお届けします。

高校内に掲示されていた各企業の求人票の中に、「車掌」という職種を見かけて、率直に「面白そうだな」と思ったのがきっかけでした。周りにあまりいない専門職だったからこそ、惹かれるものがあったんです。「やってみたい」という自分の興味を大切に、まっさらな気持ちで飛び込みました。西鉄電車を選んだ理由は、福岡に根ざした企業で基本的に転勤がないこと、地元で一番馴染みのある鉄道会社だったから。シンプルですが、私にとっては大事なポイントでした。

専門学校で観光分野を学んでいたのですが、在学中にコロナ禍の影響で観光業界の状況が変わり、進路を見つめ直す機会がありました。そんな中で企業実習先が鉄道業界になり、実際に職場を訪れて乗務員の業務を見学してみたら、「この仕事、面白そう」と感じるようになり、思い切って応募しました。鉄道の仕事は、地域の移動を支える社会インフラとして、長く必要とされる仕事という点にも魅力に感じましたね。

高校や大学に通うときに電車やバスで通学していたので、公共交通はずっと身近な存在でした。鉄道の仕事なら、多くの方の日常を支えることができる。しかも、お客さまに安心や快適さを届けながら、直接お客さまとも関わることができる。その両方にやりがいを感じて、車掌という仕事を選びました。

父が以前、西鉄バスで働いていたこともあって、小さい頃から「西鉄」という公共交通機関が身近だったんです。通学でも毎日のように利用していたので、自然と親しみがありました。それに、女性乗務員として現場でいきいきと働く姿ってかっこいいなという思いもあって。西鉄国際ビジネスカレッジに進学し、念願が叶って入社しました。

職場にはすぐ馴染めましたか?

入社前は少し緊張もありました。男性の乗務員が多い環境で、うまく馴染めるのかなって。でも、車掌として乗務するようになると、運転士と2人で仕事をするので、毎日いろいろな方とペアを組むんです。わからないことを確認することの積み重ねで少しずつ関係性ができていきましたね。休憩中に気軽に話せる乗務員の方も増えていって、安心につながりました。私自身、もともと人見知りだったので、周りから声をかけてもらえる職場の環境にとても助けられました。

私の場合、同期に女性が3人いて、みんな話しやすい雰囲気だったので、心細さは特に感じなかったかな。同期の存在は本当に大きくて、研修期間など一緒に頑張る時期があるから自然と絆が深まりました。塩屋さんがいうように、乗務は運転士と車掌がツーマン(2人1組)で連携して進めていく仕事。コミュニケーション力が鍛えられ、関わる相手も増えていく。そうすると、職場に馴染みやすくなって居心地が良くなっていくように感じましたね。

私が入社した年は車掌の大卒採用が初めての年で、女性は私ひとりでした。新しい環境に緊張もありましたが、いろんな方が気さくに話しかけてくれて、上司や先輩方も気遣ってくださったのを覚えています。周囲が関係づくりのきっかけを作ってくれたから、同じ班のメンバーとも親しくなれて、スムーズに環境に慣れていけたと思います。車掌として独り立ちしてからは、自分から声をかけていく場面も増えたかな。

入社したての頃は、目上の人に自分からなかなか話しかけられず、挨拶もちょっと控えめになっていました。でも、こちらが構えすぎなければ、先輩方が気さくに接してくださるんですよね。入社後の車掌実務研修中に女性の指導車掌(※)がついてくださって、他の社員さんとの立ち話に私も自然に入れてくれたり、いろんな方に紹介してくれたり、業務以外の場面でもフォローしてもらいました。おかげで、顔見知りの乗務員さんが増えて、環境に慣れていけました。
※指導車掌:新入社員が入社後に行う実務研修中に、マンツーマンで車掌業務の手順の指導・フォローを行う先輩車掌のこと

女性の乗務員が少しずつ増えてきていて、横のつながりを感じることもあるよね。休憩時間が一緒になったら、世間話や美容トーク、仕事の話題で盛り上がったりして(笑)。

そうですね。 些細なことも先輩に相談しやすくて、あたたかく声をかけてもらえる環境がうれしいです。


ホーム停車中に、小さなお子さまが手を振ってくれることが多くて、その瞬間はたまらなくうれしいです。先頭車両や最後尾で線路や乗務員をじっと眺めていたりするお子さまを見つけたら「電車カード」(※)を渡すようにしていて、カードを手にパァッと満面の笑みで喜んでくれる姿に、私まで笑顔になっちゃいます。
※電車カード:お子さま向けに配布している、西鉄電車の写真が載ったオリジナルカード

たしかに、車掌はお客さまと接する機会が多いよね。小さなお子さまに声をかけてもらえたり、お客さまに乗り場を尋ねられたり、誰かの役に立てていると実感できる瞬間が多くて、それがやりがいのひとつ。あと、経験を重ねると、運転士さんそれぞれのリズムがわかってくるんです。発車のタイミングなどを先読みしながら合図や案内を調整し、快適な運行を後ろから支えている実感があって。息の合った乗務ができたときは、充実感がありますね。

車掌さんのそういう気配りが心強いな。私は運転士として、車掌と2人で、あれだけ大勢のお客さまをさまざまな目的地へお届けしていることにやりがいを感じます。特に朝夕のラッシュアワーで乗車人数が多いときは責任感と同じ分、大きな達成感を味わえて、「今日もよく頑張ったな」って、自分を褒めてあげたくなります(笑)。

私はもともと運転すること自体が好き。運転士になるための研修時代、指導担当の先輩がとても親身で、覚えることが多い研修にも前向きに楽しく取り組めたことが、今の支えになっています。日によって天候の影響やお客さまの状況は違うから、「定刻通りに走る」ことが実は一番難しい。だからこそ、やりがいがあるし、停車位置にピタッと止められたときの手応えはひとしお。お客さまから「頑張ってね」と声をかけていただくことも励みになりますね。


周りの方が気にかけてくれる、あたたかな社風だと感じます。表情を見て「調子はどう?」と声をかけてもらえたり、助役や主任も話しかけてくれたりして、支えてもらっているなと思いますね。他にも、体調が優れないときに助役に相談すると、代わりの乗務員に交代してもらえて、無理をしないで働ける体制が整っています。こうした“相談しやすい雰囲気”そのものが、働きやすさにつながっているのかも。

最近、上司となる助役に女性が加わって、乗務所の雰囲気がさらに明るくなりました。気軽に相談できる上司がいるのは大きいですね。あと、社員同士でちょっとした感謝を伝え合う掲示板に自分へのメッセージがあったときはうれしかったな。乗務中はそれぞれ別の場所にいるので顔を合わせる機会が少ないんですけど、掲示板を介したささやかなやりとりにほっこりとします。

ベテラン乗務員の方がたくさんいる中で、世代を超えて話しやすいムードを作ってもらえているのはありがたいですね。最初は少し距離を感じていた方も、実際に組んでみるとアットホームで話しやすい人だったりして。先入観がいい意味で変わる交流があって、少しずつ関係性を築いていけるのが楽しみでもあります。

制服の靴が革靴に限られていたのが、黒のスニーカーもOKになったのが、個人的にうれしい改正でした。立ち仕事なので動きやすくなり、足も疲れにくくなった気がします。
あと、女性社員の食事会で「(泊まり勤務で使う)宿泊部屋に収納棚が欲しい」と意見を出したら、助役と主任がすぐに動いてくださって、全室に収納ボックスを設けてもらえました。現場の声がちゃんと届く環境だなと感じますね。


助役も視野に入れながら、着実にキャリアを積んでいきたいです。

運転技術をもっと磨いていきたいですね。これから若手の乗務員も増えていくと思うので、新しく入ってきた人が「働きやすい」と感じられる環境づくりにも、できる範囲で関わっていけたらと思っています。

今は「指導車掌」も任せてもらっているので、人に業務を教える力を向上させていきたい。教えた後輩と、プライベートでも出かけるほど仲良くなることもあるので、そういうつながりが広がっていくのも楽しみ。誰もがいきいきと働けるように、支えのひとつになれたらと思います。

自分の手で列車を動かす立場になりたいので、この先は運転士を目指しています。乗務員を志したきっかけのひとつが、運転士として働く女性の姿に憧れたこと。そのときの気持ちを胸に、いつか私もそう思ってもらえる存在になりたいです。




